株式投資において株の購入タイミングって難しいですよね?
株価がけっこう下がったら買えばいいんじゃないの?
「けっこう」ってどれくらい?
感覚で投資する人は多いと思うけど、それだと割高な株をつかんでしまう恐れもあるよ
今回は、割高株をつかまないようにするためのコツとして、PERのお話をします。
「投資の話でよく「PER」って聞くけど、どうやって見るの?」
このような投資初心者の方にも参考になりますので、ぜひ見ていってください。
PERの見方がわかります
なぜ割高な株を避けたほうが良いのか?
株式の長期的なリターンは増益率そのものではなく、実際の増益率と投資家の期待との格差できまる。
引用:株式投資の未来(日経BP社) ジェレミー・シーゲル著 より
実際の増益率が、投資家の期待を上回った時に、卓越したリターンを手にするということ。
ここでいう「期待」とは、株価収益率(PER)の高さで表すことができます。
人気がある銘柄はすでにPERが高くなっており、市場から過大評価されている傾向があります。
このような高PERの銘柄は将来のリターンを押し下げ、長期的なリターンを見込めません。
一方で、人気のない低PERの銘柄は、配当利回りが高くなります。
低PERの銘柄を購入することは、高リターンに繋がるのです。
たとえばこの配当を再投資することにより、将来のリターンをさらに押し上げることができます。
高配当株投資で長期的なリターンを得たい場合は、割高株を避けるようにした方が無難と言えます。
PERとは
そもそもPERとは何でしょう?
PERとは
PER(ピー・イー・アール)は株価収益率と呼ばれ、「株価÷1株あたりの純利益」で算出されます。 「現在の株価」が、1株あたりの「企業が稼ぐ利益」の何倍かを表しており、値が小さいほど割安、大きいほど割高といえます。企業の利益は、一部は配当として直接的に株主に配分され、残りは企業内に留められます。上場企業は株主の所有物なので、企業内に留められた利益も、間接的に株主のものといえます。例えばPERが10倍の銘柄は、10年間その株式を保有することで、現在の株価に相当する利益を直接的・間接的に得られると考えることができます。
※税金や株価・利益の変動は考慮していません。
PERはかんたんに言うと、利益の観点から
「稼いだ割には株価が低いよね」(=割安)、
「そんなに稼げなかった割に株価が高いよね」(=割高)
というのを表したものだよ。
なるほど。
PER10倍が、10年間その銘柄を保有して得られる利益と、現在の株価が同じと考えられるっていうのもわかった。
うん。
そう考えると、やっぱりPERは低い方が良いっていうのも感覚的にわかるよね。
割高な株の見分け方(初級編)
PERで判断します。
PERって、よく目にするけど、どうやって見るの?
投資初心者やPERの数値にあまり馴染みがないと、判断の仕方がわからないよね。
でも慣れてくると、PERの数値が感覚的にわかるようになるよ。
まずはざっくり判断でOKです。
PERが15倍程度 … 適正
PERが20倍以上 … 割高
参考:オートモードで月に18.5万円が入ってくる ど素人サラリーマンが元手5万円スタートでできた!高配当株投資(KADOKAWA) 長期株式投資著 より
これは、すべての業種を含めての平均値なので、業種によって適正なPERが変わってきます。
でも、まずはPERが20倍以上の割高株を買わないようにするだけで致命的な失敗を避けられるようになります。
割高な株の見分け方(応用編)
PERのレンジ(値幅)で判断
もう少し応用的な確認方法として、PERのレンジ(値幅)から判断する方法があります。
通常株価は高値になったり安値になったり変動しますが、株価の動きだけを見て「割高になったか」「割安になったか」を判断することは難しいのです。
以前よりも株価が上がったら割高になるんじゃないの?
業績が一定なのに株価が上がったら割高になるけど、業績向上による株価上昇であれば割高とは限らないよ
このような場合にPERのレンジを使うと、判断しやすくなります。
たとえば、過去5年間のPERを確認すると、その企業のPERがどのくらいのレンジなのかが分かります。
現在のPERが、このレンジの高い値に近ければ割高、レンジの低い値に近ければ割安と判断することができます。
例として花王の過去5年間のPERレンジを確認してみます。
僕はPERレンジを確認するときに、IR BANKを見ることが多いです。
PERレンジの確認方法(例)
年度 | PER高値 | PER安値 |
2017 | 26.25 | 17.62 |
2018 | 29.87 | 22.34 |
2019 | 29.91 | 23.84 |
2020 | 35.27 | 26.6 |
2021 | 34.68 | 24.71 |
確認したPERレンジを見ると、現在のPERが17倍に近ければ割安、35倍に近ければ(またはそれ以上)であれば割高となります。
ちなみに2022年7月8日現在のPERは24.75倍 ※ です。
割高ではありませんが、割安というほどでもないため、僕の場合はもう少しPERが下がってから買いたいです。
※PERの算出方法
PER=株価 ÷ EPS(1株あたり利益)
=5,708円(2022/7/8時点) ÷ 230.6円(2021/12時点)
=24.75倍
とっぴーブログのおすすめ書籍
オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資 ど素人サラリーマンが元手5万円スタートでできた!(長期株式投資著)
今回の記事の執筆においても参考にさせていただきました。
投資初心者が見るべき投資指標や、長期投資に適した銘柄の見抜き方などが分かりやすく説明されてます。
僕も何度も読み返しており、高配当株投資のバイブル的1冊です。
株式投資の未来(ジェレミー・シーゲル著)
通称「赤本」と呼ばれており、1冊目でおすすめした著者の長期株式投資さんもオススメしている1冊です。
初心者が陥りやすい新興株・ハイテク株の罠や、なぜ永続企業が利益をもたらしてくれるかなど、過去100年以上の米国市場データをもとに、根拠ある説明で納得しながら読み進められます。
まとめ
いかがでしたか?
PERを確認するだけで、割高株の購入を避けることができたり、欲しい銘柄の買い時を見極めることができるようになります。
当然、株式投資においては絶対ということはなく、PERだけを見ていれば万全というわけではありません。
しかし、PERは株式投資の精度を上げることができる重要な指標のひとつと言えます。
特に初心者が投資を判断する際の、一定の判断材料になります。
今まで感覚で投資していたという方は、ぜひPERを判断の材料に取り入れてみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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